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2015年 社長年頭挨拶

2015-01-07

本年1月5日、当社の代表取締役社長 市川祐一郎が、役員・従業員向けに行った年頭挨拶を以下のとおり掲載いたします。

 皆さん、新年あけましておめでとうございます。

 当社の各リグ、および「HAKURYU-12」(仮称)の新リグ建造室、操業準備室は、本社が休みの間も休むことなく、忙しく業務を続けていただき、皆無事新年を迎えることができました。各現業所、合弁会社の皆様には、そのご苦労に感謝申し上げます。

 本日、仕事始めにあたり、年頭のご挨拶を申し上げますと共に、世界の掘削コントラクター市場の動向、成長戦略を進めている当社のこれから一年の運営方針を、皆様と共に確認いたしたいと存じます。

 まず、掘削コントラクター市場の動向ですが、一昨年の12月20日と昨年12月20日を比較してみますと、総リグ数は、915基から960基へと45基増加しています。この間、15基のリグが市場から退出していますので、60基のリグが新たに市場に投入されたことになります。

 リグの機種別では、全体の半分強に相当する536基がジャッキアップで、約1/4に相当する215基がセミサブとなっています。世界全体のリグ数960基のうち、770基が稼働していますので、世界全体の稼働率は80.2%となっており、1年前と比べて4.9ポイント減少しています。これは、需要が減少したことに加え、供給が増加したという厳しい状況を意味します。次いで、リグのタイプ別に稼働状況を見てみますと、ドリルシップの稼働率は96%から84%へ、セミサブは87%から82%へ、ジャッキアップは88%から84%となり、いずれも減少傾向で推移していますが、特にドリルシップの稼働率の落ち込みが顕著となっています。それに比べ、ジャッキアップの稼働率は、底堅いと言えます。

 さらに、海域別にリグ市況を見ますと、リグ数では1位が中東、2位が東南アジア、3位が南米、4位が米国メキシコ湾の順番となっており、この四海域で500基以上となり、全体の半分以上のリグ数を占めています。1年前と比べた増加数では、西アフリカで16基、中東で7基、米国メキシコ湾、北海もそれぞれ7基、メキシコで6基となっていますが、逆に南米で6基、東南アジアでは2基減少しています。西アフリカではフローター、中東とメキシコではジャッキアップを中心とした稼働が中心となっています。

 今後のリグ市況は、従来と同様に原油価格の動向に大きく左右されるのは間違いありません。中国、インド等の新興国での経済成長率鈍化ならびに米国陸上でのシェールガス・シェールオイルの開発進行により、原油価格は既に下落傾向にありましたが、11月27日に開催されました石油輸出国機構(OPEC)の総会において減産が見送りになったことで、この傾向に一層の拍車がかかり、原油価格が大幅に下落しています。その影響が石油開発市場、掘削コントラクター市場にも及び始めており、先ほど述べました稼働率の低下、特にデイレートが高額なドリルシップの稼働率の低下、ならびにデイレートの低下を招いています。このため、建造中あるいは建造発注済のリグ数も減少しており、リグの納期を先送りするとか、船齢の高いリグを早めにスクラップにするとか、従業員の大量解雇を予定しているコントラクターも現れています。ただし、ジャッキアップについては、底堅い需要があり、ドリルシップほどのデイレート低下はありません。掘削コントラクター市場は、長期的には、基本的に右肩上がりの成長市場ではありますが、短期的には高低のある市場であるため、この状況は、原油価格の持ち直しにより好転していくものの、ここ1-2年は当社も辛抱が必要と考えています。このような市場感に基づき、スクラップアンドビルド、すなわち新旧リグの交代を念頭に当社の今後のリグフリートを考えています。

 さて、当社の本年度(平成26年度)の全体の業績についてです。本年度は、当社運用リグのうち、「HAKURYU-5」、「SAGADRIL-1」および「ちきゅう」においてドック工事や移動、スタンバイに費やされた無収入期間が非常に長く、「HAKURYU-11」が稼働を開始したにもかかわらず、昨年度に比べ、本年度は売り上げならびに利益とも相当な減少を余儀なくされる見込みです。来年度も、市場環境はすぐには好転するとは言えないでしょうから、経費等の支出に関してはかなり引き締めていく必要があります。

 次に、本年の当社の新たな事業展開についてです。成長戦略の第一である新リグの取得による「リグフリートの増強」については、プレミアムクラスの新ジャッキアップ「HAKURYU-12」(仮称)の建造がシンガポールのPPL造船所でほぼ完了しており、完成引渡しは今月末、4月より南米スリナム沖およびガイアナ沖で最初の受注工事を実施する予定です。このほか、昨年リースによる調達を決定した新造ジャッキアップ2基「HAKURYU-14」および「HAKURYU-15」(いずれも仮称)の建造プロジェクトが本格化します。さらに、ジャッキアップばかりでなく、大水深フローター建造の実現に向けて次のステップへ移行します。当社としては、成長戦略の根幹である「リグフリートの増強」に係わる案件を着実に実行していくとともに、これらを支える人材の確保・育成および社内体制の整備・充実をさらに図ることが重要な課題になるものと考えています。また、現行契約の終了が見込まれるリグにつきましては、タイミングを見極めながら次期工事案件の受注・確保に向けた営業活動を展開するとともに、「大水深・新規マーケットへの積極的参入」および「メタンハイドレート開発等応用分野の拡大」にも引き続き全力で取り組んでゆきたいと考えております。このように、本年は「発展への布石」をより磐石なものとし、「さらなる飛躍」に向けて一段上のステージに進む1年になるものと思います。


 当社の本年の重要課題は、

 第一に「安全操業」です。昨年の操業では、LTI(注)の発生はなかったものの、重大なリスクレベルのIncidentが起きるなど、今までには考えられない状況が生じております。このような状況に対する危機意識を強く持つとともに、「安全」こそが当社事業の根幹であることを再認識し、本社・各現業所が一丸となり、作業手順・マニュアルの遵守を徹底し、保安教育・研修プログラムをしっかり浸透させて、「安全操業」に注力していただきたい。

(注)Lost Time Incidentの略で、業務に関係した傷害により、被災者が事故の翌日から勤務できない状態をいいます。

 第二は、契約期限を迎えるリグ、「SAGADRIL-1」「SAGADRIL-2」「HAKURYU-5、10、11、12」と新規建造リグ「HAKURYU-14、15」の「工事契約の受注・確保」です。対象リグが多く、原油価格下落の影響で案件は減少し、デイレートも低下している中での受注は困難を極めることと思いますが、必死の思いで営業活動を展開していかねばなりません。

 第三は、リグフリートの増強に追随できる「人材育成」です。二極化している人材構成に起因する熟練現場要員の不足解消のための人材育成、特にメンテナンス要員の育成、次世代管理職ならびにマネージメント候補者の育成が急がれており、今年中には、その方策・対策を確立していくことにしています。今後とも、組織的、重点的に、また確実に効果が上がるよう、この問題に対処していきます。

 第四は、リグデイレートが落ち込んでいく中での「経費の節約」です。人件費、物品費、工事費、設備費、交際費等のなかで不要不急のものを削減するのはもちろんのこと、何とか知恵を絞り、工夫を凝らして、必要なものでも発注、納期のタイミングをずらすとかし、また、相見積もりを取るばかりでなく直接の価格交渉にも力を注いでいただきたい。

 第五は、「新規応用分野の開拓」です。掘削技術事業部のメタンハイドレートの開発、応用エンジニアリングプロジェクトの開発、水平孔掘削事業部の事業拡大・独立採算が対象となります。JDCの収益源の第二の柱として育てていく必要があります。

 第六は、「大水深フローターリグ建造の具体化」です。何とか現在可能性の高いプロジェクト候補を具体的に一歩進めていく所存です。

 以上より、4月からの新年度は、周辺環境が悪化している中、多くの困難を伴うことは想像に難くありませんが、JDCが新たな発展に向けてのステップを踏んでいく期間と捉えていただきたいと思います。

 さて、本日の年頭挨拶を締めくくるにあたり、会社の基盤として、常に最高の必須事項は前述したとおり、「安全操業」であることを繰り返させていただきます。各事業所、合弁会社および現場を支える本社の皆様に、引き続き安全な作業を続けるために万全を期されるようお願いする次第です。

 私は、JDCを『いつでも「夢」と「希望」と「誇り」が持てる会社』にしたいと思っています。このためにも、皆さんもそれぞれの課題に向かって挑戦されるよう、一層の尽力、奮闘をお願いします。皆で一緒に同じ方向を向きながら、『いつでも「夢」と「希望」と「誇り」が持てる会社』のために努力していきましょう。そして、魅力のある企業に成長させましょう。

 今年は未(ひつじ)年、未は、几帳面で用心深いようでも、しっかり計画と観察をして、自分の利益は確保するとともに、実は、交際上手で、交渉上手ということのようです。何とか掘削工事契約を全リグ確保し、交渉をうまくやって利益をしっかり確保していきたいものです。

 最後になりましたが、安全と健康にはくれぐれも留意され、ご家族ともに幸せな年になりますようにお祈りいたします。

以 上