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株主の皆様へ

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証券コード:1606

株主の皆様へ

社長写真 株主の皆様におかれましては、平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
 私から、2016年3月期の業績、2017年3月期の業績予想および事業環境の変化への対応について、ご説明いたします。


2016年3月期の業績について

 2016年3月期における海洋掘削リグの市況につきましては、2014年秋口から急落を始め、その後低迷を続ける原油価格の影響で、石油開発会社各社の探鉱開発活動が急速に鈍化したため、世界全体の海洋掘削リグの平均稼働率は前期比13.1ポイント減の68.2%と大幅に低下いたしました。
 このような市況の中、当社グループが運用するリグにつきましても、掘削工事の中断、契約済みの工事案件のキャンセルなどを余儀なくされたことにより、「ちきゅう」を除く当社グループ運用リグ7基の年間稼働率は、前期比9.0ポイント減の64.6%となりました。
 このほか、国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)が保有する地球深部探査船「ちきゅう」を用いた商業掘削工事(インド国営石油ガス公社のメタンハイドレート調査掘削)を実施いたしました。

 以上の結果、当期における当社グループの連結売上高は、前期比11.2%増の362億27百万円となりました。一方、新造リグ「HAKURYU-12」や「ちきゅう」等の操業関連費用の増加を中心とした売上原価の増加が、売上高の増加を上回ったため、営業損益は25億50百万円の損失(前期は8億42百万円の利益)、経常損益は32億19百万円の損失(前期は32億60百万円の利益)となりました。税金等調整前当期純損益は、33億35百万円の損失(前期は38億7百万円の利益)となりましたが、繰延税金資産を取崩し法人税等を計上したため、親会社株主に帰属する当期純損益は70億17百万円の損失(前期は18億92百万円の利益)となりました。
 なお、当期の期末配当金につきましては、事業環境の急激な変化等により、当初の業績予想を大きく下回る決算内容となりましたため、今後の中長期的な経営環境の見通しや将来の事業展開に向けた内部留保及び財務体質とのバランスを総合的に勘案し、誠に遺憾ではございますが、1株当たり15円減配の10円とさせていただきました。

2017年3月期の業績見通しについて

 2017年3月期につきましては、原油価格低迷により掘削案件の数が減少する中、競争が一段と激しくなり、またデイレートも低迷するという厳しい事業環境下での操業を余儀なくされます。懸命な受注活動を展開しておりますが、こうしたリグ市況軟化の影響により、売上高は2016年3月期比29.7%減の254億80百万円を予想しております。稼働率低下、経費節減及び減価償却費の減少等により売上原価は減少しますが、売上高の減少がそれを上回る見込みのため、営業損益は61億49百万円の損失、経常損益は、67億63百万円の損失、親会社株主に帰属する当期純損益は69億45百万円の損失を予想しております。

今後の事業環境と事業環境変化への対応について

 この1年で当社を取り巻く事業環境は大きく変化いたしました。グラフ1
 上のグラフは、原油価格と原油の需給バランスの動向を示しております。1バレル100米ドル前後で推移していた原油価格は2014年秋口から急落を始めております。これには世界の原油が供給過剰となり始めたことが背景にあり、需給ギャップの拡大に伴って原油価格が下落基調を強めています。
 グラフの灰色の部分は米国エネルギー情報局(EIA)による将来予測で、需給ギャップは今後縮小に向かい、2017年の秋口には供給過剰の状態は解消する見通しとしております。この需給ギャップの解消が原油価格上昇の基本的な前提となりますが、最近その時期を年内とみる予想も出てきております。
グラフ2
 上のグラフは、原油価格の変動とリグ建造数の相関関係を示しております。
 右側の灰色で示した棒グラフは、現在建造中ないしは発注済みのリグで、3月末現在、世界で195基あります。左の山の部分は主に1970年代から80年代にかけて建造された老朽化が進んでいるリグで、次第にその寿命を迎え、マーケットから退出しつつあります。特に、左の灰色の部分のリグは、この1年間で退役したリグの平均船齢である32.9歳以上の経年リグを示しており、3月末現在、350基存在します。
  現在はリグの需給が緩んでおりますが、将来的に事業環境の改善が見込まれる中、今後も寿命を迎えたリグの退役が続くことを考えますと、再びリグが不足する状況へ転じ、特に高性能のリグに対する需要が高まるものと考えられます。

グラフ3
 当面は当社を取り巻く事業環境は厳しい状況が続くと思われますが、当社は全社一丸となって、ここにお示ししました将来の飛躍につなげるための課題に着実に対処してまいります。

2016年6月
日本海洋掘削株式会社
代表取締役社長
市川祐一郎